1 口座は増えてしまうもの
「あなたは預金口座をいくつ持っていますか。」こう聞かれて即答できない方も多いのではないでしょうか。若い方はそれほど多くの口座を持っていないかもしれませんが、年齢が上がるにつれ段々と口座は増えてしまうものです。転居や勤務先の異動などで新しい口座を作ることもあります。また、子供の学校関係費の引落しなどで特定の金融機関の口座を作ることもあります。そのときは必要と思って作った口座でも今は特に使っていない口座がいくつかある方も多いと思います。証券会社の口座も投資信託の乗り換えに伴って増えてしまったり、インターネット取引の普及に伴ってネット証券会社の口座が増えたりしている方も多いと思います。
預金口座も証券口座も使わなくなってもまた使うようになるかもしれないと思ってすぐには解約をすることは少ないと思います。口座を解約しなくても特に不都合は生じないため、また、改めて手続きするのも面倒だということもありそのまま使っていない口座を放置してしまう場合も多いのではないでしょうか。こうしたことで段々と口座が増えていってしまうと思われます。
2 口座の整理をしよう
現在使っていない口座があるならば解約することをお勧めします。物と同じでいつか使うかもしれないと残しておいても結局は使わないということがほとんどです。いざ使おうと思っても長年使っていないとキャッシュカードの暗証番号を忘れていたり、届出印がどの印鑑かわからなくなっていたりもします。また、多少なりとも残高が残っているかもしれませんので解約して有効活用しましょう。
また、使っていない口座がたくさんあると万一の際相続人は相続手続きが大変です。金融機関への手続きもそうですが、相続税の申告でも手間がかかります。平成27年からの相続税の基礎控除額の改正により相続税の申告対象者の範囲は拡大しました。相続税の申告に際してはたとえ少額でもすべての預金口座や証券口座の残高を調べて申告しなければなりません。どこの金融機関に口座があるか探してその残高証明書を取得する手間は容易に想像がつくと思います。ネット銀行やネット証券会社の口座などは本人以外わかりにくいので整理をした際に口座のリストを作っておくとよいと思います。
そのほか、使っていない口座の金融機関からも取引報告書や規定の改定書類などが送られてきますが、紙の使用や郵送による環境への負荷を考えると減らすべきものと言えます。そのうち整理しようと思っていても特に困らないので先延ばしにしてしまうことが多いと思います。高齢になると解約の手続きにより労力がいることにもなりますのでこれを機会に口座の整理をされてはいかがでしょうか。
このコラムは2018年6月8日「YAHOO!ファイナンス NISA/投信ページ」に掲載されました。