1 ポイントを貯めて使う理由
最近では多くのコンビニやスーパーなどで共通あるいは単独のポイントカードが発行されており、買い物の際にポイントが付与されます。以前のポイントは一定のポイントを貯めるとその店舗の商品に交換できたり、一定の割引を受けられたりするものが多かったと思います。しかし、最近では一定のポイントまで貯める必要がなく1ポイントからすぐに買い物代金に使えるものも増えています。ここでは後者のポイントについて貯めてから使うべきか、すぐに使うべきかを考えてみたいと思います。
ポイントをある程度貯めてから使う方も多いと思います。その理由を考えてみるとそれは「お得感の実感」ではないでしょうか。1ポイント=1円として使える場合、数十ポイントを使うよりも数百ポイントあるいは数千ポイントを貯めて一度に使うと現金を使わずにポイントだけで買い物ができたり、数百円あるいは数千円少ない現金で買い物ができたりします。確かに数十ポイント使うよりもお得感を実感できます。そのほかポイントを貯めて使う理由としては「頻繁に会計時に申し出るのが面倒である」、「レジの操作を増やすことになり申し訳ない」、「少額のポイントを使うのが恥ずかしい」などがあると思われます。
2 ポイントを貯めて使うデメリット
ポイントを貯めて使うと「お得感の実感」は得られますが、すぐに使う場合に比べて次のようにいくつかのデメリットもあります。
- (1)ポイントを貯めている途中で利用している店舗が閉店したり、住居や勤務先が変更になったりしてその店舗が利用しにくくなる。
- (2)ポイントカードを紛失した場合不正利用されてポイントを失う恐れがある。
- (3)ポイント発行会社が倒産したり、ポイントの利用条件が改悪されたりする。
- (4)ポイントには利息がつかない。
- (5)ポイントを貯めるために他の安い店舗や便利な店舗があってもその店舗を利用し続ける。
- (6)ポイントを貯めるためにあまり必要ないものをつい買ってしまう。
- (7)ポイントを利用する際に「ポイントで買えるから」とあまり必要ないものを買ってしまう。
ポイントを発行する店舗側にとっては(5)、(6)、(7)のようなリピーターになってくれる客や「ついで買い」をしてくれる客は「ポイント戦略」が成功している証です。このような購買行動を取らないようにポイントは貯めないですぐに使う方がよいのではないでしょうか。ポイントを貯めると「お得感」は実感できても使えるポイント数は変わりません。ポイントを使用する際のレジでの躊躇もこちらが思っているほど店員さんは意識していないと思います。毎回ではなくても週に1回、月に1回など「貯める圧力」が発生しないように定期的にポイントを使用するようにしてみるのもよいと思います。
このコラムは2017年9月8日に「YAHOO!ファイナンス NISA/投信ページ」に掲載されました。