犬山忠宏
税理士事務所/FPオフィスp.1

INFORMATION

デビットカードで残高管理するだけではお金は貯まらない

2017.08.15

1     デビットカードのメリット

最近デビットカードへの注目が高まっています。デビットカードとは金融機関が発行する決済カードで商品やサービスの購入代金を利用者の預金口座から即時に引き落として支払うものです。日本では2種類のデビットカードがあり、一つは金融機関のキャッシュカードをそのままデビットカードとして使う「J-Debit」で、もう一つはクレジットカード会社のネットワークを使う「ブランドデビット」と呼ばれるものです。J-Debitはその利用が専用端末を置く加盟店に限られることなどから決済金額、決済件数とも減少傾向にあります。一方、ブランドデビットはJ-Debitに比べ利用可能な店舗がかなり多く、インターネットショッピング等の決済にも使えるためその利用は拡大しています。ブランドデビットカードの発行枚数残高は2016年末には507万枚に達しています。(日本銀行調べ)

最近ではブランドデビットカードのCMもよく目にするようになり、利用する方も増えています。ブランドデビットカードはクレジットカードと同じように使え、現金の引き出しの手間や多額の現金を持ち歩く手間やリスクを減らせるなどのメリットがあります。また、デビットカードは利用したときに即時に代金が引き落とされ、クレジットカードのように利用時と引き落とし時の時間差がないため家計の管理がしやすいというメリットもあります。このため、クレジットカードを使い過ぎて翌月思わぬ請求額になってしまうなど家計管理が苦手な人にデビットカードの利用が勧められたりもされています。

 

2     残高管理だけではお金は貯まらない

確かにデビットカードは口座の残高を超える買い物には使えませんので口座の残高とは無関係に使えるクレジットカードに比べると使い過ぎを防ぐことができます。また、利用した後の口座の残高がすぐわかることも計画的な利用に役立ちます。ついついクレジットカードを使い過ぎて翌月の資金繰りに困ったり、リボ払いを利用したりしてしまう方はデビットカードに切り替えることでこうしたことをある程度防ぐことができます。

しかし、給与振込口座一つだけでデビットカードで残高管理しているだけではお金は貯まりません。残高があるからとつい使ってしまうことがあります。「口座から即時引き落とされる、口座残高を超えて使えない」というデビットカードの特徴を最大限に生かすには、先取り貯蓄をした上でデビットカードもしくは現金で使える1ヶ月分の予算額を口座に残しておくという方法がお勧めです。口座の残高が使うことができる金額と一致しますので残高を確認することで1ヶ月間の予算管理がやりやすくなります。

デビットカードで口座残高がすぐわかることだけで安心せずに先取り貯蓄をした上でうまく利用するようにしましょう。

 

このコラムは2017年8月10日に「YAHOO!ファイナンス NISA/投信ページ」に掲載されました。

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