1 年末預金残高の比較
普段家計簿もつけておらず、仕事の忙しさにかまけて特にお金の管理を意識してやっていないという方も多いと思います。新しい年を迎え今年こそはお金を貯めたいと思っている方はまずわが家の家計の現状を知ることが大事になります。
家計簿もつけていないのにどうやって収支をつかむのかと言いますと年末の預金残高を比較することで大まかな収支がわかります。平成28年12月末の預金残高を1年前の平成27年12月末残高と比べてみます。複数の口座を持っている方は全部の口座を合計した額で比較します。普通預金だけでなく定期預金も合わせた残高を使ってください。給与から天引きされて積み立てている財形貯蓄や確定拠出年金の口座も含めます。また、平成28年中にもし証券会社の口座などに投資のために出金した金額があったらその額を平成28年12月末の残高にプラスします。逆に証券会社の口座などから入金した金額があればその金額はマイナスします。
その結果残高が増えていた方はその分貯蓄ができたということになりますので、その増えた額(貯蓄額)にもよりますが、まずは黒字家計と診断できます。逆に残高が減っていた方は昨年中に大きな買い物や大きな支出がなかったか思い出してみてください。特に思い当たるものがない方やそれを考慮してもなお減っていた方は赤字家計ですので要注意です。
2 源泉徴収票と給与明細で収入を把握
年末預金残高の比較が終わったら次に年間で収入がどれくらいあったのかをつかみます。収入は源泉徴収票と給与明細からわかります。税金や社会保険料はコントロールできないのでこれらを差し引いた後の手取り額を算出してみましょう。源泉徴収票で次の金額を確認していきます。
- 支払金額
- 源泉徴収税額
- 社会保険料等の金額(内書きの金額がある場合にはその金額を控除した金額)
給与明細で次の金額を確認します。
- 平成28年12月(7月~12月のいずれでも可)の給与明細の住民税の金額
- 平成28年5月(平成27年7月~平成28年5月のいずれでも可)の給与明細の住民税の金額
次の算式で年間の手取り額を算出します。
年間の手取り額=(1)-(2)-(3)-{(4)×7+(5)×5}
6月の住民税額は端数調整で多少差異がある場合がありますが、大きくは違いませんので大丈夫です。 給与以外の収入があった場合にはそれを加え、共稼ぎ夫婦の場合は二人分計算します。
この年間の手取り額から預金残高の比較によって算出した年間の貯蓄額(赤字額)を引いた額が年間の支出額になります。
3 目標
年間の収入、支出、貯蓄(赤字)がわかったら今年の目標を立てましょう。収支が黒字だった方は1年間の貯蓄額が当面の貯蓄目標に対して十分であったか考えてみてください。収入に対する貯蓄割合を見て今年の貯蓄目標を立てましょう。一方、収支が赤字だった方はまずは黒字化を目指す必要があります。支出額と赤字額から支出額の削減目標を立てましょう。赤字額を意識して家計改善に取り組んでください。
データがある方は平成27年分についても同様に収支を算出してみると変化や傾向がよりよくわかると思います。家計簿はつけられなくても年に1回家計診断をしてみることをお勧めします。
このコラムは2017年1月13日に「YAHOO!ファイナンス NISA/投信ページ」に掲載されました。